中学の時はセーラー服でした。
そのセーラー服は右と左にフックで留めたスカーフを胸のところにある筒状の布に入れるのですが、そのスカーフは学年によって出していい量が決まっていました。
もちろん、これは校則などではありません。
暗黙の縦割りのルールといった感じです。
入学すると自然とそういう噂が入ってきます。
学年で目立つ子が、先輩にスカーフの出し方で注意をされたといった感じの噂です。
1年生は可哀想なぐらいに細くまるで棒のような状態でスカーフを出します。
2年生になると、少し太くなってもいいようになります。
3年生になると、自由です。
みんな、綺麗にシワを出しながら大きくスカーフを出していました。
もう、ぎりぎりいっぱいにです。
1年、2年で出来なかった反動がここに出てくるのかもしれません。
今思えばなんとも無意味なルールだったと思います。
でも、中学生だった当時の私には2年生や3年生の先輩はとても怖い存在でした。
だから、目立つことをして目をつけられないようにしなくてはと真剣に考えていたので、この不条理なスカーフのルールをしっかりと守っていたのです。
もちろん、周りのクラスメートの子たちもしっかりと守っていました。
今は母校の中学生の子がどうやってスカーフを巻いているかは分かりません。
時代も随分と変わってしまったから、きっとルールは変わっているのではないかと思います。
今度、実家に帰ったら中学生のスカーフをそっと観察してみようと思います。